カメラの基礎知識

写真・動画を理想の色味へ!ホワイトバランスの基本と決め方

ホワイトバランスの基本と決め方

皆さん、おはこんばんちは。おーわ(@mof_mof08)です。

衝撃の事実なのですが、実はなんだかんだで9年間も一眼カメラを使い続けています。(悲しいかな…その割にはさほど腕はないんですけどねw)

さて、デジタルカメラで写真や動画を撮影する上で重要になってくるのが色味ですが、その色味を決めるにあたってはホワイトバランスを調整する必要があります。

ところでホワイトバランスとはいったいどのようなものなのか、具体的にはどうやって決めれば良いのか…今回はそのあたりを紐解いてまいります。

ホワイトバランスとは

写真や動画の色味を決める要素の一つで、早い話が白を白く写すための機能になります。

人間の目は実に便利な機能を持っていて、被写体に自然光があたっていようが、電球や蛍光灯の光があたっていようが白い色は白だとおおむね認識することができます。

しかし実際には光源によって青っぽくなったり、はたまた赤っぽくなったりしています。

主な光源と色温度の関係主な光源と色温度の関係

ちなみにこの青っぽい光、赤っぽい光は一般的に色温度(単位:ケルビン)で示され、色温度が高いほど光が青っぽく、色温度が低いほど赤っぽい光ということを意味します。

あれ?赤っぽい方が色温度が高いんじゃないの??と思われる方も多いかもしれませんが、実はそういうわけじゃないんですよね。(このあたりは炎を思い浮かべるとイメージしやすいかも…ちなみに僕自身もつい最近まで色温度の高低と色味の関係を勘違いしていたのは内緒の話ですよ?w)

げふんげふん…ちょっと話が横道に逸れてしまいましたので、ここらで軌道修正をしていきましょうか。

先ほど、人間の目はハイテクな調整機能によって白を白としておおむね認識することができると述べましたが、見た目に近い状態で写真や動画を記録するためにはカメラでも白を白として認識させる必要が出てきます。

ところがカメラはとても素直な機械であるがゆえに、人間の目ほど万能に調整することはできません。

では、いったいどのようにして白を白として写せば良いのか…ここで、我らがホワイトバランス先生の出番ということになるわけです。

ホワイトバランスは白を白く写すための機能だとお伝えしましたが、具体的には光の色(色温度)と逆の色を加えることで実現しています。

色温度とホワイトバランスの関係

例えば蛍光灯は赤みが少し強い傾向の光源になりますが、ホワイトバランスで青みを足すことによって白を白として写すことができるようになります。

参考までに複数の色を加えることで色味を決定することを加色混合とも言うのですが、興味があるコアで変態な方は「カメラとレンズのしくみがわかる本」あたりを読んでみると良いかもしれません。

ホワイトバランスの基本的な設定方法

さて、ホワイトバランスについてざっくりと把握していただいたところで、続いては基本的な設定方法について紹介していきます。

デジタルカメラでホワイトバランスを設定する方法としては、次の三通りがあります。

  • オート設定
  • プリセットによる設定
  • 色温度による設定

ちなみにホワイトバランスの設定は以下のような画面で行うことができます。

ホワイトバランス設定画面ホワイトバランス設定画面(PENTAX K-1 MarkIIの例)

各カメラ毎にホワイトバランスの設定画面があるかと思いますので、詳細はマニュアルなどを確認していただければと思います。

オート設定

読んで字のごとく、ホワイトバランスを自動的に設定する方法になります。

外界の光を基にカメラ側で色温度を判断し、最適なホワイトバランスを適用してくれるため、撮影者はカメラ任せに最適なホワイトバランスを得ることができます

オートモードはとても便利な反面、設定がカメラ任せになるがゆえに意図しない色味になることも多々あります

そんなこともあり、個人的には後述するプリセットもしくは色温度によるホワイトバランス設定をおすすめしたいところです。

プリセットによる設定

カメラ側にあらかじめ用意されたプリセットを適用する方法です。

おおよその光源に合わせてカメラ内部に用意されたプリセットを選択することで、撮影者がおおよそ意図する自然な色を得ることができるようになります。

参考までにデジタルカメラには以下のようなプリセットが用意されています。

ホワイトバランス 特徴
オート 自然な色合いで写るよう自動的に調整される。
日陰 晴天下の日陰で自然な色合いとなる。
曇天 曇天の屋外で自然の色合いになる。
晴天 晴天の屋外で自然の色合いになる。
蛍光灯 蛍光灯を光源としている場合に自然の色合いになる。
電球 電球を光源としている場合に自然の色合いになる。

カメラによっては上記で紹介したものとは名称が異なったり、より細かくホワイトバランスのプリセットが用意されている場合があります。

詳しくはお使いのカメラのマニュアルなどを参照してみてください。

例えば太陽光に近い光源でホワイトバランスを「太陽光」に設定した場合、白を白として写す(自然な色合いになる)ことができるようになります。

実際に太陽光がベースの光源で撮影した場合、ホワイトバランスを変更していくと次のような違いが現れます。

太陽光に設定すると自然な色にだいぶ近くなるのに対し、蛍光灯や電球では青みが強まり、曇天や日陰では赤みが強まる傾向にあることが見て取れるかと思います。(曇天も意外と自然に近いかも?)

プリセットによるホワイトバランス設定はオートと比較するとかなり自由度が高いですが、あくまでもカメラ側に用意されたテンプレートを使うことになるため、撮影者が意図する色が出ない場合もあります

プリセットによるホワイトバランスは色味をおおよそ調整する際に向いていると考えていただければと思います。

色温度による設定

ホワイトバランスを設定するもう一つの方法として、色温度(ケルビン)を指定するというものがあります。

プリセットではカメラ側にあらかじめ用意された範囲でのみホワイトバランスを指定することになるため、微妙な色味を決めることが難しいという欠点があります。

一方で色温度の場合はより細かく指定することができるため、写真や動画の色味をより撮影者が意図する方向へ導くことができます

先ほど紹介したプリセットの例では「太陽光」でおおむね自然な色とはなりましたが、実際にはわずかに青みを帯びていることが見て取れます。

一方で「曇天」でも自然な色合いに近いですが、こちらも少し赤みが強すぎる傾向があります。

そのような微妙な色味を調整したい場面こそ色温度によるホワイトバランスの出番ということになるわけです。

今回はプリセットの「太陽光」と「曇天」の間が自然の色味が出るポイントとなってくるため、色温度をそのおおむね中間にあたる5500~6000Kに指定していきます。

プリセットの「太陽光」と「曇天」では少々色味にズレがありましたが、色温度を5500~6000Kに指定したことでより自然な色味に仕上げることができました。

以上のように、色温度によるホワイトバランスの設定は色味を細かく調整できる一方、光源の色温度をある程度理解している必要があるため、初心者にはやや難易度が高いかもしれません。

お使いのカメラによっては色温度によるホワイトバランスの設定ができない機種もあります。

ホワイトバランスの決め方

さて、ホワイトバランスは具体的にどのように決めれば良いかという話ですが…

  • 撮影地の光源を把握する
  • ホワイトバランスを設定する

という流れになります。

な、なんか難しそう…と思われるかもしれませんが、サルと知能が大して変わらない僕(サル様に失礼ですねごめんなさいw)でもざっくり理解できましたので、皆さんならきっとなんとかなるんじゃないでしょうか。(雑

撮影地の光源を把握する

まずは撮影地にはどんな光が降り注いでいるのかを把握しましょう。

前述でホワイトバランスは光源の色温度に対して逆の色味を与えることで白を白として写す機能だと紹介いたしました。

とどのつまり、ホワイトバランスの設定をするためには撮影地に降り注ぐ光の色味を知る必要があるというわけです。

ちょっと取っ付きにくいという方は…

  • 晴天の日中:太陽光
  • 蛍光灯のある屋内:蛍光灯

ぐらいな感じで認識するとよろしいかと思います。

光の色味を知ることはホワイトバランスを設定するための重要なポイントとなりますので、まずはしっかりと把握しておきましょう。

【コラム】同じ太陽光でも時間帯によって色味が変わる

ちょっと余談になりますが、同じ太陽光でも見る時間帯によって色味が変わってきます。

ざっくりまとめると以下のような感じになります。

時間帯 ホワイトバランス
日中およびマジックアワー 5000K前後(太陽光)
日没直後(ブルーアワー) 6000K前後(曇天)

空を見た際、特に日の出や日没前後は色味が違うなーと感じた方も多いと思いますが、これらもまたホワイトバランスの設定に際して影響を及ぼす要素となります。

ちょっとややこしいかもですが、同じ太陽光でも時間帯によって色味が違うということを知っていると、より細かく写真の色味を調整できるようになりますので、頭の片隅にでも置いといていただければ幸いです。

ホワイトバランスを設定する

撮影地の光源がおおよそどんなものかを把握したら、続いてホワイトバランスを設定していきます。

どういった色味の写真や動画に仕上げるかによって変わってきますが、おおよその決め方の方針としては以下の三パターンになってくるかなと思います。

  • 暖かい雰囲気に仕上げる
  • クールな雰囲気に仕上げる
  • 見た目に忠実に仕上げる

以下、温かい雰囲気に仕上げる場合とクールな雰囲気に仕上げる場合について、ざっくりと例を紹介いたします。(見た目に忠実に仕上げる場合には光源に即したホワイトバランスを設定してください)

暖かい雰囲気に仕上げる

写真や動画を暖かい雰囲気に仕上げる場合、光源に対してやや高めの色温度(赤みを加えるするプリセット)を適用することで実現できます。

以下の写真は色温度が5500Kでちょうど自然な色味になりますが、少し高めの色温度を加えることで赤みが加わり、暖かみのある写真に仕上げることができます。

注意点としては赤みを強くし過ぎると絵が破綻してしまうので、ほどほどに調整するのがおすすめです。

クールな雰囲気に仕上げる

写真や動画を暖かい雰囲気に仕上げる場合には、光源に対してやや低めの色温度(青みを加えるプリセット)を適用します。

前述と同じく色温度が5500Kでちょうど自然な色味になる写真を基準とした場合、少し低めの色温度を加えることで青みが加わり、クールな写真に仕上げることができます。

温かい雰囲気に仕上げる際と同様に、青みを強くし過ぎると絵が破綻してしまうので調整はほどほどに…。

ホワイトバランスはレタッチでの調整も可能だが…

ホワイトバランスはAdobe Photoshop Lightroomなどを使ってレタッチすることも可能です。

現地でホワイトバランスの設定を間違えた際の修正や、光の色合いが激しく変化するなど現地で決めきれない場合においてはレタッチによる調整も有効になってきます。

ただ、レタッチはあくまでも元写真の魅力を最大限引き出すための道具に過ぎませんので、可能な限り撮影の段階で設定しておくのが個人的には望ましいかなと思っています。

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まとめ

ホワイトバランスは写真の色味を決めるための機能で、光源の色温度に対して逆の色を加えることで白を白として写すことを実現しています。

写真や動画をどういった雰囲気に仕上げるかを決める際の重要な決め手となりますので、ぜひ頭の片隅に置いといていただければ幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございますm(__)m

ABOUT ME
おーわ
花火系散歩屋。関東を中心に年間で20〜50回ほど花火をながめながら撮影しています。
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