皆さん、おはこんばんちは。おーわ(@mof_mof08)です。
一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラで連写機能を使った際…
- 途中で止まった
- 極端に遅くなった
という経験はありませんか?
これらの事象が起きた場合はカメラの設定やメモリーカード、はたまたカメラ本体を見直す必要があるかもしれません。
連写が止まるもしくは遅くなる原因
さて、一眼カメラで連写が途中で止まったり、極端に遅くなったりしてしまう原因は大きく2つあります。
- カメラの設定(特にシャッタースピードとオートフォーカス)が適切でない
- バッファーの容量が枯渇する
それぞれの課題についてもう少し紐解いていきます。
カメラの設定が適切でない
カメラの設定が適切でない場合、連写速度が遅くなってしまうことがあります。
特にシャッタースピードとオートフォーカス(AF)の設定が適切でない場合、連写時にシャッターがスムーズに切れなくなることがあります。
シャッタースピードが遅い
シャッタースピードが連写速度よりも遅い場合、必然的に遅い方に引きずられます。
たとえばPENTAX K-1 MarkIIの連写速度は4.4コマ/秒(フルサイズかつRAW形式での撮影の場合)ですが、これは0.23秒に1枚撮影できる計算となります。
ところがシャッタースピードが0.5秒になると最大でも2枚/秒となってしまうため、本来の連写性能で撮影することはできなくなってしまいます。
特にシャッタースピードが自動で決まるフルオートモードや絞り優先(Av)モードで撮影していると、暗所などで連写速度が低下することが得てしてあります。
追尾オートフォーカスがフォーカス優先になっている
連写時には追尾オートフォーカス(AF)を使用する場合、フォーカス優先設定になっている場合は合従するまでシャッターが切れません。
そのため、被写体へ合従するまでに時間がかかってしまうと、そちらに引きずられて連写速度が遅くなってしまいます。
「AF.C」および「フォーカス優先」はPENTAXの一眼カメラにおける名称で、その他のカメラメーカー・ブランドでは名称が異なります。
バッファーの容量が枯渇する
連写中にバッファーの容量を使い果たしてしまうと、撮影が途中で止まってしまいます。
え、バッファー?水牛の胃袋か何か??(それはバッファローですw)
げふんげふん…とんだ茶番失礼いたしました。
一眼カメラで撮影した写真はバッファーと呼ばれる記憶域(RAM)にいったん書き込まれたのち、メモリーカード(SDカードやコンパクトフラッシュなど)へ順次転送されていきます。
バッファーはメモリーカードと比較して転送速度(書き込み速度)が圧倒的に高速なため、いったんバッファーへ蓄積した方がメモリーカードへ効率的に転送できるということで、上図のような構成となっています。
連写撮影時には通常撮影をはるかに上回るペースで写真データがバッファーへと書き込まれていきますが、メモリーカードと比べると容量がはるかに少ないため、あっという間に容量が枯渇してしまいます。
レストランなどでお客さんの入店する数に対して回転が追いつかないと待合室からあふれてしまいますが、それと似たようなものです。
バッファーの容量を使い果たしてしまうと、空きができるまでは次の撮影ができなくなってしまいます。これが連写が途中で止まってしまう原因です。
ちなみにバッファーの容量はカメラ毎に大きく異なります。
たとえばPENTAX K-1 MarkIIの最大撮影枚数は17枚(フルサイズかつRAW形式で撮影の場合)ですが、Nikon D810の場合はほぼ同条件(Fxフォーマットかつロスレス圧縮14bit RAWの場合)で28枚となります。
特にバッファーの容量が少ないカメラではあっという間に連写が止まってしまいます。
連写が止まるもしくは遅くなる場合の対策方法
さて、実際に連写が遅くなってしまった場合、どのようにして対策をすれば良いのでしょうか。
上記で挙げた2点について、それぞれについての対策を紹介していきます。
カメラの設定が適切でない場合
カメラの設定が起因して連写が止まったり、遅くなったりしている場合の対策は以下のとおりです。
- シャッタースピードを調整する
- 追尾AF時の動作を変更する
シャッタースピードを調整する
シャッタースピードが遅くなりすぎて連写速度が遅くなっている場合の対策は単純で、シャッタースピードを連写速度よりも早くすることで解消することができます。
たとえばPENTAX K-1 MarkIIの連写速度は4.4コマ/秒(フルサイズかつRAW形式での撮影)ですが、これは約0.23秒に1枚撮影できる計算になります。
したがって、0.23秒(1/23秒)よりもシャッタースピードを速くすれば、連写速度が極端に遅くなるという事象を解決することができます。
シャッタースピードを速くするためには、次の方法で調整することができます。
- 絞りを開放(F値を小さく)にする
- シャッタースピードを速くする
- ISO感度を高くする
このあたりは露出の三要素(絞り、シャッタースピード、ISO感度)についてあらかじめ把握しておくと理解しやすいです。(お使いの撮影モードによって設定できる項目が異なります)
追尾AF時の動作を変更する
連写速度を優先する場合には、追尾AF時の設定を「コマ速優先」などシャッターを切ることを優先する設定に変更することで、連写がスムーズに行えるようになります。
「コマ速優先」はPENTAXの一眼レフカメラにおける名称で、その他のカメラメーカー・ブランドでは名称が異なります。
詳しい名称や設定方法につきましては説明書などを参考にしてください。
バッファーの容量がいっぱいになる場合
連写が途中で止まってしまう原因はバッファーの容量枯渇に起因するものになります。
対策としては以下のような方法が挙げられます。
- フォーマットを変える
- 連写速度を遅くする
- 連写を断続的に行う
- メモリーカードを見直す
- カメラを買い替える
フォーマットを変える
写真のフォーマット(画素数および記録形式)を変更することで、連写時のバッファー枯渇を抑えることができます。
具体的な対策としては…
- クロップ機能を使う
- 記録形式をJPEGに変更する
写真データ1枚当たりの容量が小さくなる=最大撮影枚数が増えることになります。
たとえば3600万画素と1800万画素のカメラで撮影した写真では、1枚当たりのデータ量が2倍程度異なります。
一部のフルサイズ対応の一眼カメラにはAPS-C対応レンズとの互換性を保つ目的でクロップ機能が搭載されていますが、この機能を使うと画素数が2/3に減るため、1枚あたりの容量が減ります。
また、同じ画素数でもRAW形式(14bit圧縮なし)とJPEG形式(8bit)ではデータ容量が1.75倍程度異なります。
記録形式をJPEG形式にすれば1枚あたりの容量はRAW形式と比べて減るため、最大撮影枚数がさらに向上します。
https://www.camera-kb.com/raw-jpeg-merit-demerit/
フォーマットの変更はバッファーの容量枯渇を防ぐための有効な手段となる一方で、画素数やレタッチ耐性を犠牲にするデメリットもあります。
連写速度を遅くする
連写速度をあえて遅くすることで、バッファーの枯渇を抑えることができます。
一眼カメラには連写速度を変更できる機能が備わっています。たとえばPENTAX K-1 MarkIIであれば「H(高速)」「M(中速)」「L(低速)」の三種類から選択することができます。
上記はPENTAXの一眼レフカメラでの例であり、その他のカメラメーカー・ブランドでは名称や設定可能な項目が異なります。
詳しい名称や設定方法につきましては説明書などを参考にしてください。
低速に設定するとバッファーへ写真データが書き込まれる間隔が長くなります。
これによりメモリーカードへの書き込みが追いつくようになるため、バッファー内に写真データが溜まりにくくなります。
説明書などに書かれたカメラの仕様を見ると高速時と低速時で最大撮影枚数が異なるのはそういう理由です。
連写速度を遅くする方法は撮影の連続性をある程度保てるようになる一方、連写速度が犠牲になるという点には注意が必要です。
連写を断続的に行う
ずっとシャッターを切りっぱなしではなく、ピンポイントに連写を行うことでバッファーの枯渇を防ぐことができます。
イベント終了後には駅などの特定箇所に大量のお客さんが押し寄せますが、キャパシティが超えないように入場規制を行いますよね。
それと同じように連写を小分けにすることで、ある程度バッファーに余力を持たせることができるというわけです。
一時的に撮影間隔は広がりますが、連写速度を落とさずに撮ることができるので比較的有効な対策になります。(前述で紹介したフォーマット変更を加えるとさらに効果が高まります)
メモリーカードを見直す
お使いのメモリーカードの書き込み速度が遅い場合、転送速度(書き込み速度)が速いカードに買い換えることで改善できる可能性があります。
「適当に選んじゃダメ?!一眼レフカメラ用SDカードの選び方」の中でも触れましたが、メモリーカードの転送速度が遅いとカメラのバッファーに写真データが溜まってしまい、連写が途中で止まってしまう原因となります。
なお、カメラそのものが高規格なメモリーカードに対応していない場合、いくらメモリーカードの転送速度を早くしたとしても大幅な改善効果は得られない場合があります。
カメラを買い換える
上記の方法で改善しない場合はカメラに買い替えるのも一つの手です。
カメラを買い替える際、現在お使いのカメラと比べて以下の事項を満たしているかを確認した上で導入する必要があります。
- 連続撮影枚数(バッファー容量)が多いこと
- より高規格なメモリーカードに対応していること
上記の事項を留意した上でカメラを選べば、連写性能に関してはもっとも高い改善効果が得られます。
ただし、買い替えに伴うコストが大きくのしかかるため、やはり最終手段ということになるでしょうか。(マウント変更ともなればシステム総取っ替えでレンズまで買い換えることになりますし…)
まとめ
連写撮影時に途中で止まったり、はたまた極端に遅くなってしまう問題。
カメラの設定が適切でないか、バッファーの容量が少ないことが主な原因ですが、カメラの設定や撮り方、機材を見直すことで解消することができます。
最後までご覧いただき、ありがとうございますm(__)m
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