皆さん、おはこんばんちは。おーわ(@mof_mof08)です。
近年のデジタルカメラはスマートフォンも含めて画素数の多い、いわば高画素機と呼ばれる製品が増加する傾向にあります。
ところで高画素のカメラにはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
高画素機とは
一般的に画素数が非常に多いデジカメのことを高画素機と呼んでいます。
デジタルカメラのイメージセンサーには受光素子と呼ばれる半導体がたくさん敷き詰められています。
この受光素子1つが1px(画素)に相当し、敷き詰められた画素の面積が画素数ということになります。
実際にはイメージサークルなどの兼ね合いなどもあり、イメージセンサーのすべての画素を使えるわけではありません。(写真撮影で使用される画素数を有効画素数と呼びます)
※総画素数、有効画素数、記録画素数については以下の記事参照も参考にしてみてください
画素数はカメラやイメージセンサーの大きさ毎に異なり、画素数が多い機種もあれば少ない機種もあります。
例えばフルサイズセンサーを搭載したSONY α7IIIでは有効画素数が2420万画素なのに対し、α7RIIIでは4240万画素と大きく異なります。
高画素機の基準はイメージセンサーの大きさにも依存しますが、フルサイズセンサーを基準にするとおおむね以下のように分類される傾向にあります。
- 1000万画素クラス:低画素機
- 2000万画素クラス:中画素機
- 3000万画素以上:高画素機
先の分類に従うと、α7IIIは中画素機、α7RIIIは高画素機に分類されることになります。
なお、イメージセンサーの大きさが変わると高画素の定義も大きく変わります。
先ほどフルサイズでは3,000万画素クラス以上の場合に高画素機として分類されると述べましたが、これがサイズがより小さいAPS-Cやフォーサーズになると2,000万画素クラス以上で高画素機に相当します。
高画素の明確な定義は実際のところ存在しません。
高画素機のメリット
高画素機のメリットとしては以下のようなものが挙げられます。
- 高い解像感が得られる
- トリミング/クロップ耐性が高い
- 大判プリントにも耐えられる
高い解像感が得られる
高画素機の大きなメリットとして高い解像感が得られるという点が挙げられます。
イメージセンサーの受光素子1つ=1画素(1px)を構成しますが、デジタル写真はいわばドット絵のようなものだと考えていただくと分かりやすいかと思います。
例えば同じイメージセンサーの大きさの範囲で「ABC」という文字を描いた場合、画素数が多い場合と少ない場合で下図のようになります。
低画素で表現したものと高画素で表現したものを比較すると、後者の方がより細かい部分まで表現できているということが見てとれます。
とどのつまり、画素数が多いほどより細かな部分まで表現することができるようになるため、画素数が少ないカメラと比べてより繊細な絵を弾き出すことができるということになります。
トリミング/クロップ耐性が高い
トリミングやクロップを使ってもある程度の画素数を残せるというのも高画素機の一つのメリットです。
トリミングやクロップは写真の一部を切り出すというものですが、これらの処理をかけると画素数が低下するというデメリットがあります。
Webで使用する分にはそれほど問題にはならない場合が多いですが、紙面にプリントをする場合には画素数が不足してしまうという問題が発生してしまいます。
例えば2,400万画素のカメラで撮影した写真と4,200万画素のカメラを使って撮影した写真を75%のサイズにトリミングした場合、切り抜き後で以下のような違いが出てきます。
切り取り前の画素数 | 切り取り後の画素数 |
2,400万画素 | 1,800万画素 |
4,200万画素 | 3,150万画素 |
2,400万画素の写真を75%サイズでトリミングした場合は最大でもA3版までのプリントに留まりますが、4200万画素の写真であれば1サイズ上のA3ノビ版へのプリントも十分にこなすことができます。
このように画素数が多いカメラではトリミングやクロップを行っても十分に画素数を残すことができるため、よりサイズの大きい用紙に印刷することも十分に可能です。
大判プリントにも耐えられる
画素数が多いカメラは大判の印刷にも対応できるという点も大きなメリットです。
Webへ掲載するだけであればそれほどの画素数は必要ないですが、プリントを行うのであれば話は別…用紙のサイズが大きくなるほど求められる画素数が増えていきます。
参考までにプリント時に必要な画素数は次の通りです。
用紙サイズ | 解像度[単位:px] | 画素数 |
L | 1,051×1,500 | 1,576,500 |
2L | 1,500×2,102 | 3,153,000 |
六つ切り | 2,398×3,000 | 7,194,000 |
A4 | 2,480×3,508 | 8,699,840 |
四つ切り | 3,000×3,602 | 10,806,000 |
A3 | 3,508×4,961 | 17,403,188 |
A3ノビ | 3,886×5,705 | 22,169,630 |
A2 | 4,961×7,016 | 34,806,376 |
全紙 | 5,394×6,614 | 35,702,372 |
大全紙 | 6,000×7,205 | 43,230,000 |
参照:写真サイズ一覧表 – 用紙サイズ一覧.com(一部抜粋)
フォトコンテストでよく指定される六つ切りや四つ切りクラスであれば1200~1600万画素もあれば十分ですが、展示などで全紙や大全紙を使用するような場合には高画素機が必要になってきます。
高画素機のデメリット
一方で高画素機のデメリットとしては次のようなポイントが挙げられます。
- ブレに弱い
- ダイナミックレンジが狭まる
- 写真1枚あたりの容量が大きい
ブレに弱い
高画素機のデメリットとしてまず挙げられるのがブレに弱いという点です。
高画素機は画素間の幅(画素ピッチ)が狭いため、撮影中にカメラがちょっと動いただけでもブレにつながってしまいます。
縦横が同じぐらいブレたと仮定した場合、低画素と高画素でブレ幅が変わってきます。
パッと見た感じではイメージが付きにくいかもしれませんが、ピクセル単位で注目してみていただくと分かりやすいかと思います。
低画素の場合は0.5px分のブレになるのに対し、高画素になると1pxほどのブレになってしまっているということがわかります。
このように、高画素機では低画素機よりもブレに対してよりシビアになるということが見て取れます。
参考までに、高画素機を使用する際のブレ対策としては三脚を併用するなどが挙げられます。
※ブレ発生の原因と対策方法については以下の記事も参考にしてみてください
ダイナミックレンジが狭まる
明暗部の表現力(ダイナミックレンジ)が狭くなるのも高画素機のデメリットの一つとして挙げられます。
写真の画質を決めるポイントには1画素当たりの受光面積が関わっていて、この面積が大きいほどより多くの光の情報を得ることができます。
得られる光の情報が多いほど表現力が豊かになり、ノイズも出にくくなります。
同じ大きさのイメージセンサーの場合、画素数が少ないほど1画素当たりの受光面積が大きくなり、多くの光の情報が得られるようになります。
高画素機では1画素当たりの面積小さくなるため得ることができる光の情報が減ってしまうため、画質にも影響が出てくるという点には注意しましょう。
写真1枚あたりの容量が大きい
写真1枚当たりの画素数が増えれば、それに乗じてデータ容量が増加します。
容量が増えたところでなんじゃらほいほいと思われるかもしれませんが、主なデメリットとしては…
- 写真1枚あたりの読み込み/書き込み時間が増大する
- パソコンやメモリーカードの容量を圧迫する
といった点が挙げられます。
例えば画素数の多いカメラと少ないカメラでは、メモリーカードへの書き込み時間や1GBあたりの保存枚数に次のような違いが出てきます。
PENTAX K-5(1628万画素) | PENTAX K-1II(3640万画素) | |
容量(RAW) | 約20MB/枚 | 約45MB/枚 |
メモリーカードへの書き込み時間 | 約0.2秒/枚 | 約0.5秒/枚 |
保存枚数 | 約50枚/GB | 約22枚/GB |
メモリーカードはSanDisk Extream Pro(UHS-I規格対応/最大書き込み速度90MB/s)を使用かつ理論上の最高速度となります。
写真データ1枚当たりの容量が増えると、メモリーカードの書き込み時間や保存枚数に大きな影響をもたらします。
さらにカメラのみならず、写真データの保存先となるパソコンや外付けHDDの容量枯渇や編集時の作業もたつきなどといった、撮影とは別の部分にも影響が生じる場合があります。
実際に僕も1600万画素のカメラからPENTAX K-1(3600万画素)のカメラへ買い替えた際に写真データ1枚当たりの容量が跳ね上がり、メモリーカードやパソコンの見直しを迫られた経験があります。
高画素機を使用する場合は写真1枚当たりの容量が増加し、カメラやパソコンなどにも影響を及ぼす可能性があるという点に注意が必要です。
まとめ
画素数の多いデジカメを使う際には以下のようなメリットとデメリットが存在します。
メリット |
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---|---|
デメリット |
|
高画素機にはメリットとデメリットがあるということを理解した上で、カメラ選びに役立てていただければ幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございますm(__)m
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