皆さん、おはこんばんちは。おーわ(@mof_mof08)です。
一眼レフカメラ(ミラーレス一眼カメラ)をお持ちの方の中には、日本の美しい花火を撮りたいという方も多いと思います。
そんな美しく魅力あふれる花火の撮り方について、全7回に渡って紹介していきます。
目次
花火写真=光跡の撮影
さて、第5回は花火写真の撮影に必要なカメラの設定について紹介していきます。
具体的なカメラの設定について紹介する前に、皆さんへちょっと質問です。
花火の写真って何がどうやってあんな写り方をしていると思いますか?以下の写真を参考にしながらちょっと考えてみてください。

いかがでしょうか?よーく見ると、花火の光が線状になっていますよね?
そう、実は花火写真というのは光跡の撮影というのと同じなのです。
夜景を撮影している方はなんとなくイメージしやすいかと思いますが、花火の撮影もまた光を撮るということと同じなのです。(もっとも光がなければどんな写真であろうと撮れないんですがw)
そんな花火という「光跡」を写真に収めるためにはどのようにカメラを設定すれば良いのでしょうか…というのが、今回のお話です。
本記事は花火写真の撮影に必要な機材が揃っていることを前提に進めていきます。
必要な機材がよく分からないという方は、花火写真の撮り方講座「第3回 撮影に必要な機材を揃えよう」を併せてご覧いただければ幸いです。
花火写真の撮影におけるカメラの設定
花火の写真を撮影する際のカメラの設定はおおむね以下が目安となります。
撮影モード | マニュアルモード(M)もしくはバルブモード(B) |
---|---|
シャッタースピード | バルブ(Bulb) |
絞り | F8.0~16(NDフィルター併用の場合はF5.6~11程度) |
ISO感度 | 常用感度の最低値(おおむね100~200程度) |
ホワイトバランス | 花火により異なる |
その他 | 長秒時ノイズオフ、手ぶれ補正機能オフ |
先述した通り、花火写真は光跡の撮影というのが基本となります。
そのため、都市夜景やジャンクション夜景などと同じく長時間露光が前提となってきますが、花火の打ち上げに合わせてシャッタースピードが変わってくるためシャッタースピードをバルブ(Bulb)に設定する必要があります。
また、花火は非常に明るい被写体ということで、白飛びを極力防ぐために絞りを絞る(F値を大きくする)、ISO感度を下げるといった設定も必要になってきます。
これまでオートモードしか使ってこなかったという方にとっては少々とっつきにくいかもしれませんが、一つずつ解説していきますのでご安心を。
※OLYMPUS PENシリーズをお使いの方は以下の記事も参考にしてみてください

撮影モード:マニュアル(M)もしくはバルブ(B)モード
撮影モードはマニュアルモード(M)もしくはバルブモード(B)に設定します。
花火写真は「光跡」を撮影するということと同義となります。したがって、長時間露光を使用することが前提となります。
ただし、都市夜景の撮影とは異なり花火は打ち上がるタイミングがまちまちであるため、シャッタースピードを決め打ちすることはできません。
そのためシャッタースピードを撮影者自身でコントロール可能なバルブ(Bulb)に設定する必要があります。
花火は非常に明るい被写体であるため、シャッタースピードに加えてだけでなく絞りとISO感度を調整する必要があります。
一眼カメラの撮影モードダイヤルには「M」もしくは「B」という記号がありますので、ダイヤルをいずれかに合わせます。


シャッタースピードをバルブ(Bulb)に設定するために、マニュアルモード(M)もしくはバルブモード(B)を選択しましょう。
シャッタースピード:バルブ(Bulb)
撮影モードの項目でも既に書きましたが、シャッタースピードはバルブ(Bulb)に設定します。
花火は打ち上がるタイミングがまちまちであるため、普段の撮影と異なりシャッタースピードをこれと決めることができません。
シャッタースピードをバルブに設定することで、撮影者の好きなタイミングでシャッタースピードを変えることができるようになります。

なお、撮影モードがバルブモード(B)の場合はシャッタースピードが自動的にバルブ(Bulb)となるため、シャッタースピードの設定は不要です。
花火は打ち上がるタイミングがまちまちなため、シャッタースピードはバルブ(Bulb)に設定します。
バルブモード(B)の場合は自動的にシャッタースピードがバルブに固定されます。
絞り:F8.0~16前後
打ち上がる花火の明るさにもよりますが、おおむねF8.0〜16あたりを基準に調整するのがおすすめです。(花火は明るさがまちまちなので、打ち上がる花火に応じて絞りを適宜調整することを推奨)
撮影モードのところでも述べたように、花火は非常に明るい被写体となる一方で、光跡を撮るために数秒~十数秒程度の長時間露光が必要となります。
そのため、絞りを絞る(F値を大きくする)ことによって光を取り込む量を抑える必要があります。
なお、フォーサーズなどのイメージセンサーの小さいカメラでは絞りすぎると回折現象によって画質が落ちるため、気になる方はNDフィルター(ND4もしくはND8推奨)を併用した上でF5.6〜8あたりを目安にするとよろしいかと思います。

ISO感度:常用感度の最低値
ベース感度(たいていの場合は常用感度の最低値に当たる)に設定します。
これも撮影モードのところで述べたように、花火は非常に明るい被写体かつ長時間露光での撮影を行うために、取り込む光の量を抑える必要があります。
もっとも花火撮影では三脚を使用しての撮影が前提となるため長秒時における手ブレの心配もありません。
したがって、夜間スナップ撮影のようにISO感度を上げてシャッタースピードを稼ぐ必要もないわけです。
適正露出および画質の観点から、ISO感度は常用感度の最低にするのが妥当ということになります。
カメラによっては拡張感度によってISO感度をさらに下げられる機種もありますが、画質に影響してくるので拡張感度の使用は個人的にはあまりおすすめしません。
ホワイトバランス:花火により異なる
花火撮影において非常にかなり悩ましいのがホワイトバランスの設定。
ホワイトバランスは早い話が白を白く写すための機能ですが、花火の場合は打ち上がる花火の種類によって変わってきます。
- 和火:晴天(4500~4800K)
- 洋火:電球(2900~3200K)
JPEG取って出しで撮影されるという方は、上記の設定を目安に設定するとよろしいかと思います。(レタッチを前提とする場合でも、どのような色が得られるかを把握するために追い込むことを推奨)
※ホワイトバランスの基本的な部分については以下の記事も参考にしてみてください

長秒時ノイズ低減:オフ
必ずオフにするのを忘れないようにしておきましょう。
長秒時ノイズ低減機能がオンになっていると一枚撮影する毎にノイズリダクション処理が入ります。
ノイズリダクション処理が行われている間は撮影ができなくなるため、スムーズに次の撮影に移れず、肝心なところでシャッターチャンスを逃すことにもつながってしまいます。
あらかじめ長秒時ノイズはオフにしておきましょう。
手ブレ補正:オフ
こちらもオフにするのを忘れないようにしましょう。
オンにしたまま撮影してしまうと手振れ補正機能が誤検知を起こしてしまい、写真の繊細さが失われてしまいます。
基本的にシャッタースピードをバルブに設定した段階で手ブレ補正も自動的にオフになるものが多いですが、中にはオフにならないカメラもあるかもしれませんので、手ブレ補正がオフになっていることを念のため確認しましょう。
まとめ
花火写真の撮影は長時間露光が前提となり、なおかつご自身でシャッタースピードが調整できる必要があります。
また、適切な露出を得るためには絞りやISO感度も併せて調整する必要があることを抑えていただければ幸いです。
今までオートモードばかりを使っていた方には少し敷居が高いかもしれませんが、慣れてしまえばそれほど難しくないのでぜひぜひチャレンジしてみてください。
第6回は具体的な花火写真の撮り方・コツについて紹介していきたいと思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございますm(__)m
- 第1回 伝えたいことを決めよう
- 第2回 種類・大きさを知ろう
- 第3回 撮影に必要な機材を揃えよう
- 第4回 場所取りと構図の考え方
- 第5回 カメラの設定(本記事)
- 第6回 撮影のコツ
- 第7回 レタッチのコツ
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